bend sinister

2011/9/10

▼武満徹の『スペクトラル・カンティクル』を聴く。▼沼尻竜典指揮東京都交響楽団による演奏。▼ドビュッシーの管弦楽曲の魅力に開眼して、武満の作品の美しさも分かるようになってきた。▼武満の音楽を聴けば聴くほど、武満はドビュッシーの正しい後継者だと思うようになってきた。▼アジアンテイストが加わったドビュッシー。▼ドビュッシーは北斎にインスパイアされて『海』を書いたのだから悪い気はしないと思う。▼武満の音楽には、ドビュッシーの音楽から音響の快楽のような部分を抽出し、さらに押し進めたような趣きがある。▼立て続けに作品を聴いていると、いつ前の曲が終わっていつ次の曲が始まったのか、曲と曲の境界の見極めが難しくなってくることがある。▼武満の音楽はどれも同じ、という文章を見かけたことがあるが、それはヴィヴァルディやブルックナーの音楽はどれも同じ、という言説と基本的には同じ種類のものだと思う。▼むしろ、ヴィヴァルディやブルックナーと同じく、武満も独自の世界観を構築することに成功したと肯定的に捉えるべきだろう。▼このCDは『スペクトラル・カンティクル』から『樹の曲』まで、時代を遡るように配列されている。▼面白いことに、若い頃の作品になればなるほどストイックなものになっていくように感じられる。▼所持しているのは廉価再発盤だが、DENONによる録音はかなり優秀。▼武満の「音響の快楽」を余すところなく堪能させてくれる。

f0190773_21283421.jpg
[PR]
by ok-computer | 2011-09-10 21:28 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : https://bends.exblog.jp/tb/16669365
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]