bend sinister

最近聴いた・観たもの。(『ペレアスとメリザンド』、『イースタン・プロミス』)

▼ドビュッシーの歌劇『ペレアスとメリザンド』を聴く。▼親しみやすい前奏曲やアリアもなく、いかにもドビュッシーらしいたゆたうような流動的な音楽が約2時間半にわたって繰り広げられる。▼初めて接する作品ではないが、聴くには集中力が必要なので、間隔を置いた2日間に分けて聴き通した。▼ドビュッシーとしては、ワーグナーへのアンチテーゼがあったということらしいが、禁断の愛を扱った物語や切れ目のない音楽の流れなど、『トリスタンとイゾルデ』に共通する部分もあると思うのだが、いかがだろうか?▼声楽部分ばかりを追いながら聴いていると、なかなかに把握しがたい。▼どちらかというと管弦楽に意識を集中して、ただひたすら音楽の流れに身を委ねることが理解への近道なのかもしれない。

▼デヴィッド・クローネンバーグの『イースタン・プロミス』鑑賞。▼前作『ヒストリー・オブ・バイオレンス』とは善と悪との扱いが逆で、この2作は対になっている印象。▼ヴィゴ・モーテンセンを続けて主役に据えているので余計にそう感じる部分があるのかもしれない。▼イギリスを舞台に、ロシアン・マフィアについての映画を、アメリカやフランスやドイツの俳優を使って、カナダの監督が撮るという、いかにも現代的にグローバルな作品。▼クローネンバーグについては、『シーバース』『ザ・ブルード』『スキャナーズ』といった比較的初期の作品に思い入れがあるが、『イグジステンズ』以降は初期とは違った安定感のある作品が続いていて、なかでもこの『イースタン・プロミス』は最も完成度の高いものではないかと感じた。▼喉を掻き切るシーンのリアルさや、指を切断するシーン、全裸での格闘シーンなど、ストーリー的にここまで必要か?という描写もあるが、そこにこそクローネンバーグらしさが発揮されているのは、いつもながらのアンビバレンツ。

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by ok-computer | 2011-12-10 18:24 | 映画 | Trackback | Comments(0)
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