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カポーティ『叶えられた祈り』

▼カポーティ『叶えられた祈り』を読了。▼カポーティの有名な(悪名高い?)未完成の遺作。▼アメリカのハイ・ソサエティに生きる人々の内幕が、P・B・ジョーンズという書き手を通して描かれて(暴露されて)いくが、やや品の無い印象を受ける箇所もあり、村上春樹が編纂した『誕生日の子どもたち』の世界観とはかなり異なる趣がある。▼収録されているのは既に生前発表されていた3章分のみなので、全体像がどのようなものとして提示されるはずだったのかは知る由もないが、少なくとも第1章にあたる『まだ汚れていない怪獣』はそれ自体で優れた中編小説として読むことができる。▼特にその章の最初と最後に引用される、8才の女の子の作文の使い方が実に巧くて、中で描かれたドロドロとした世界とは別に、読後には何か美しいものが心に残る。
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by ok-computer | 2012-01-28 23:58 | | Trackback | Comments(0)
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