bend sinister

2012/3/17

▼マルタ・アルゲリッチのデビュー・リサイタルとリストのソナタを一枚に収めたCDを聴く。▼色んな作曲家の作品を並べたオムニバス形式のアルバムがあまり好きでないこともあって、ずっと買いそびれていたもの。▼坂本龍一の演奏の後に聴くと、まずはその打鍵の強さと鋭さに驚いてしまう。▼何も知らなければ、どちらが男性の演奏なのか分からないくらいだ。▼このCDに収められているブラームスの2つのラプソディについては、他にグールドとペライアの演奏を持っていたので、1番を3人の演奏で聴き較べてみたのだが、そのあまりの違いに驚いてしまった。▼アルゲリッチが一番ダイナミックレンジの広いドラマチックな演奏。▼一方、ペライアはいつもながらに音色の美しさが際立っているのが他に較べると余計実感される。▼そしてグールドだが・・・・・何といえばいいのだろうか。▼演奏時間はペライアが9分弱で、アルゲリッチは8分20秒くらいで、アルゲリッチでも少し早いかなと感じるのだが、グールドは7分を切る演奏で、さらにいつもの調子で鼻歌が聴こえるのだがら、もはや冗談の一歩手前という感じ。▼かつてミラン・クンデラが『裏切られた遺言』という評論集のなかで「ピアノ作品はルバートにはことのほか無力だ。じっさい、オーケストラと一緒だとリズムをわざと不正確にすることは困難である。しかし、ピアニストはひとりだ。その恐るべき魂は制御も制約もなしに猛威をふるうことができるのである。」と書いていたことを思い出してしまった。▼というわけで、グールドの演奏で全部吹き飛ばされてしまった感があるが、アルゲリッチのCDについて少しだけ触れておけば、プロコフィエフの『トッカータ』とラヴェルの『水の戯れ』が作品的に好みだった。

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by ok-computer | 2012-03-17 00:31 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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