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村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』

▼村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読了。▼ハルキストの間で特に人気の高い作品とのことだが、たしかに作品の構成やテーマなど、以降の村上作品で扱うことになる萌芽のようなものが多く含まれているような気がした。▼その意味でこの作品はひとつの分水嶺であり、高く評価する人が多いのも頷けるのだが、近作から中心に村上作品に触れてきたぼくのような読者にしてみれば『海辺のカフカ』や『1Q84』に較べると、そこまでの完成度には至っていない部分も幾分感じられもした。▼逆に言えば、それは村上春樹がいまもって進化し続けている証しだと言えるのかもしれないのだが。▼個人的に気に入ったのは、主人公が一角獣の頭骨に触れることで夢を読む「世界の終り」のパートで、静謐で詩的で幻想的な、美しいイメージに溢れている。▼小川洋子の『ミーナの行進』のときにも触れたが、作家が発表した作品順に読まなければその真価が伝わりにくいケースもあるのかもしれない。▼『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の場合、ネタバレに近い事前情報をたくさん頭に入れていたこともあって、ちょっと損した気分
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by ok-computer | 2013-02-10 23:59 | | Trackback | Comments(0)
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