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ブリテン『ピアノ協奏曲』

▼ブリテンのピアノ協奏曲を聴く。▼最近図書館でCDを借りて聴いてみたらハマってしまって、ついには作曲者指揮による録音盤を購入することになった。▼ブリテンといえば作曲家としてのみならず、指揮者やピアニストとしても評価が高く、さらに私生活では、まだまだ保守的だった往時のイギリスにおいて、テノール歌手のピーター・ピアーズと生涯にわたる公私のパートナーシップを結んだり、日本政府から委嘱のあった皇紀2600年奉祝曲として(よりによって)『シンフォニア・ダ・レクイエム』というタイトルの曲を提出したりといった反骨精神なども含めて格好良い人物だとのイメージがあるが、佇まいやエピソードの格好良さに較べて、その音楽からはそれほどトンがった印象をこれまで受けることがなかった。▼しかし、このピアノ協奏曲に触れることによって、そんなエピソードに相応しいような「格好良さ」をようやくブリテンの音楽から聴き取ることができた。▼第一楽章を聴いてすぐに想起するのはストラヴィンスキーやプロコフィエフの音楽。▼それほどの晦渋さは見られないが、それでいて20世紀音楽ならではのクールかつメカニカルな響きは堪能することができる。▼第二楽章は「ワルツ」と題されているが、シュトラウス親子やチャイコフスキーのワルツとは異なり、ワルツの亡霊のようなワルツになっているところはやはり20世紀的だと言えるかもしれない。▼「行進曲」と題された第四楽章も同様の印象。▼ブリテンの指揮とリヒテルの独奏によるこの演奏はこの作品の決定盤との評判が高いもの。▼ブリテン自作自演集7枚組のうちの1枚で、同じCDにはヴァイオリン協奏曲も収められており、これもまたピアノ協奏曲と甲乙つけ難い、若きブリテンの才気煥発といった作品だ。▼ブリテンのCDは少なからず持っていたはずなのだが、これまで一体何を聴いていたのだろうか、という気分。▼『戦争レクイエム』や『無伴奏チェロ組曲』なども改めて聴き直してみたいと思う。

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by ok-computer | 2013-05-04 00:17 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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