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デヴィッド・ボウイ『Heroes』

▼デヴィッド・ボウイの『Heroes』を聴く。▼ボウイが自身のベストとしてしばしば挙げる作品であり、パンクの嵐が吹き荒れていたにも関わらず、1977年にNMEのライターがその年のベストアルバムに選出した作品であり、最新作『The Next Day』においてジャケットがリサイクルされた作品でもある。▼ぼくはと言えば、ひとつ前の『Low』を良くも悪くも分かりやすくした作品というのが、ずっとこのアルバムに抱いていたイメージで、聴き返すのは数年ぶりになるだろうか。▼CDに詰め込まれた音楽そのものは変わらないというのに、聴き手であるぼくのほうは(どうやら)変わったところがあるようで、以前とは違う物の見方や感じ方ができるようになったみたいだし、オーディオ・システムも変更されている。▼時の経過とともに色褪せてしまう作品というのもあるが、このアルバムの場合にはそれは当て嵌まらないようで、むしろ時間をかけてようやくその真価を感じとることができるようになったのかもしれない。▼ただこれを聴いてしまうと、復活作の楽曲が物足りなく感じられてしまうきらいはあるのだけれども。▼ぼくは70年代のボウイをリアル・タイムで体験することは残念ながらできなかった。▼しかしながら、追体験という形で彼の作品に触れて、『Hunky Dory』から『Heroes』にかけての、ひとりのアーティストがこれだけの変貌を遂げながら、なおかつクオリティの高い音楽を生み出し続けることの奇跡のような在り方を感じとることができた。▼レコードで体験することは、あるいは遠い谺を聴くような行為なのかもしれないが、それでも繰り返し見ることのできる夢のようなものでもあると思う。

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by ok-computer | 2013-07-19 22:12 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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