最近聴いたもの。
▼ドッジーの2nd『Homegrown』。▼その音楽性はオアシス、ティーンエイジ・ファンクラブ、キンクス、クークス、ザ・ビューといったバンドが想起されるような、ある種のブリティッシュ・ロックの典型的ともいえるようなもの。▼ただし、オアシスよりデビューが早いという事実は、このバンドの名誉のために言っておかなければいけないかもしれない。▼アコースティックとエレクトリック両方のギターをミックスさせる音作りは1stと共通だが、このアルバムはややエレクトリック寄りになっている。▼たまたま巡り合わせでこのアルバムを聴き返すことになって、昔聴いたときよりもずっと良い曲が揃っているなという感想を抱いた。▼このアルバムで一番好きなのは昔も今も2曲目の『Melodies Haunt You(メロディーズ・ホーント・ユー)』なのだが、ぼくには「メロディ〜ソンチュ〜♪」と歌っているようにしか聴こえない。
▼MORELENBAUM2/SAKAMOTO の『CASA』。▼「イパネマの娘」「ワン・ノート・サンバ」「ディサフィナード」といった超有名曲は含まれておらず、かなりのジョビン・マニアでもなければ全曲知っているという人はいないのではないだろうか。▼そんなマニアックな選曲からも推察されるように、これはジャンル音楽としてのボサノヴァをとりあげるというのではなく、坂本龍一なりのアプローチによって、ひとりの作曲家としてのアントニオ・カルロス・ジョビンの世界に迫ろうとした作品だといえると思う。▼よって、ジョアン・ジルベルトみたいな雅な軽やかさを求めると肩すかしを食らってしまう。▼アストル・ピアソラの作品をクラシック系の演奏家が演奏するときの感じをイメージしてもらうと近いかもしれない。▼こういった作品を聴くと、ドビュッシーやライヒと並んで、ジョビンの音楽が坂本龍一に与えた影響の大きさというものを実感させられる。▼ラストの「SEM VOCE」冒頭のチェロとピアノの二重奏を何の先入観も無しに聴けば、坂本龍一の曲だと勘違いする人も多いのではないかと想像する。▼これはある種のネタばらしなのかもしれない。