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ヴァシリー・ペトレンコ指揮ショスタコーヴィチ交響曲第4番

▼ヴァシリー・ペトレンコ指揮のショスタコーヴィチ交響曲第4番を聴く。▼ペトレンコによるショスタコ交響曲チクルスについてはすでに各方面から絶賛されているが、ぼくが聴いた限りでは出来不出来はともかく、曲との相性みたいなものは結構あるのかなと感じる。▼しかし今回の4番は相性抜群で、素晴らしい演奏・録音だと思う。▼様々な曲想が錯綜し、特に第一楽章と第三楽章については正直言って冗長に感じられることもあったこの複雑怪奇な交響曲が、こんなにも格好良い曲だったんだ!と初めて思い知らされた。▼なかでも第一楽章中盤に出てくる、弦楽器によるフーガ部分の格好良さは、交響曲第8番第三楽章の執拗に繰り返される弦楽器のリズムに匹敵すると思う。▼ウィキペディアによると、この作品の作曲中にショスタコーヴィチはマーラーに熱中し、制作にあたっても参考にしたとのことだが、たしかに第三楽章冒頭の葬送行進曲風のフレーズはマーラーの交響曲第1番第三楽章冒頭部分とほほ同じだし、同じ第三楽章コーダ部分の金管によるコラールの、それまでの雰囲気とは異なる唐突な明るさなどもたしかにマーラーっぽい。(ウィキペディアは参考になるなあ!)▼ペトレンコの指揮はシャープだとか現代的なショスタコ演奏だとか形容されることが多く、たしかにその通りなのだろうけれど、テンポに関しては他の演奏に較べると微妙に遅く、とくに第二楽章ははっきりと遅く感じられるが、響きは(指摘されるように)シャープで弛緩するようなところはなく、鳴らす部分は豪快にオケを鳴らしている。▼若手指揮者による清新な演奏というよりは、ほとんど横綱相撲に近い印象だが、出てくる音の圧倒的説得力によって文句なしに寄り切られてしまう。

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by ok-computer | 2014-08-11 22:02 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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