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ヤナーチェク『シンフォニエッタ』

▼ヤナーチェクの『シンフォニエッタ』を聴く。▼ご存知、村上春樹の『1Q84』のなかで何度も登場し、その存在が急激にクローズアップされた作品。▼映画ならともかく、実際に聴くことのできない小説で取り上げられたことによって音楽が注目を浴びるというのも珍しいが、そこは村上春樹の影響力の大きさを改めて感じるとともに、『セロニアス・モンクのいた風景』のあとがきにおいて「音楽の持つ素晴らしさが、どのように文章で表現され得るかということに、一人の書き手として昔から個人的に深い興味を持っている」と書いている春樹氏自身の意思(意図?)が浸透してきていることの証左なのかもしれない。▼今回聴いたのはチャールズ・マッケラス指揮ウィーン・フィルによる演奏のもの。▼ぼくがヤナーチェクに興味を持ったのは村上春樹ではなくミラン・クンデラの影響なのだが、そのクンデラが『裏切られた遺言』のなかで(『シンフォニエッタ』と『タラス・ブーリバ』は)「もっともポピュラーな(平均的な音楽愛好家にはもっとも近づきやすい)作品として、この二つはほとんど定期的に同じレコードに入れられる」と書いているように、やはりこのCDにはその二つ(と『利口な女狐の物語』の組曲)が一緒に収められている。▼ぼくは『シンフォニエッタ』をヤナーチェクの作品のなかでは民族色がやや強く出ている作品だと感じている。▼これをきっかけとしてヤナーチェクの世界に入ったのであれば、ぜひ2つある弦楽四重奏曲、それに彼の素晴らしい一群のオペラ作品にも触れてほしいと思う。▼主要オペラについては、この『シンフォニエッタ』と同じく、マッケラスとウィーン・フィルがデッカに吹き込んでいる。▼今ではヤナーチェクのオペラを(しかも原語ヴァージョンで)大手レコード会社が一流指揮者とオーケストラを使って録音するなんて考えられないことで、今後も大きな価値観の転覆でもなければそれは実現不可能だろう。▼<むかしむかし、音楽は芸術文化と考えられていて、レコード会社も採算を度外視してでもその録音を後世に残そうとする気風・気概みたいなものがありました・・・・・>

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by ok-computer | 2014-10-26 20:14 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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