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音楽の海岸

最近聴いたもの。(スガシカオ、バッハ・コレギウム・ジャパン)

▼スガシカオの『Sweet』を聴く。▼スガシカオの最も良かった時期はこのアルバムか、次の『4Flusher』までではないかと考えている。▼「和製ファンク」と形容された音楽性と、J-POPとはかけ離れた独特な歌詞の世界とのコンビネーションの新鮮さがそこにはあったと思う。▼その後メジャーになっていくにつれて、マスを相手にした音楽というか、少なくとも初期の頃に感じられる、スライ&ザ・ファミリー・ストーンやプリンスが好きでそれらの自分なりのヴァージョンを作ろう!というような良い意味での無邪気な部分は希薄になっていったような気がする。▼この『Sweet』に収められた楽曲では、シングルになった「あまい果実」や「夜明けまえ」も良いが、やや媚びのような部分が(すでに)見受けられる。▼それよりも「夕立ち」や「グッド・バイ」といった曲のほうがよりスガシカオらしいファンクやソウルの向こうにある叙情性が感じとれる。▼とくに「夕立ち」は「ココニイルコト」や「愛について」と並ぶ名曲で、ぼくが考える最良のスガシカオを聴くことができる。

▼鈴木雅明率いるバッハ・コレギウム・ジャパンによるバッハのカンタータ第41集~55集のボックス・セットを少しずつ聴いている途中。▼以前にも書いたが、こういったボックスは聴き通すことだけが目的になって、一枚一枚を丁寧に聴き込むことがおそろかになりがちだ。▼そうは思うのだが、単体で購入するよりずっとお得なことと、ボックスで購入でもしなければそもそも聴く機会さえも失うという面もあるので悩ましいところ。▼相手はストイックなバッハだし、15枚のCDを聴いていくことは修業やマラソンのような体験かもしれないが、聴き続けているとランナーズハイのような局面に遭遇することもある。▼例えば第42集に収録の、美しいアリアやコラールが含まれたカンタータ第13番などは全集録音でなければなかなか聴くことのできないカンタータではないかと思う。▼こういった宝石のような作品に出会えるのだからと(強く)自分自身に言い聞かせながら、毎日一枚ずつのペースで聴いている。

最近聴いたもの。(スガシカオ、バッハ・コレギウム・ジャパン)_f0190773_1847483.jpg最近聴いたもの。(スガシカオ、バッハ・コレギウム・ジャパン)_f0190773_23515045.jpg
by ok-computer | 2014-11-03 18:48 | 音楽 | Trackback | Comments(0)