bend sinister

バッハ・カンタータ全集 Vol.52

▼バッハ・コレギウム・ジャパンによるカンタータ・シリーズ第52集を聴く。▼このディスクには第147番と並んで、バッハのカンタータのなかでもっとも有名な第140番が収められている。▼147番が2度演奏される「主よ、人の望みの喜びよ」が飛び抜けて有名で、かつ実際に素晴らしいのだけれども、カンタータ全体としてのクオリティはこの140番のほうが勝っていると思う。▼有名なコラールだけでなく、ふたつある二重唱、それにいつもは単に繋ぎの役割にしか過ぎないこともあるレチタティーヴォまでもが素晴らしく、さらに第4曲のテノールによるコラールと終曲の旋律に同じものを使用することによってカンタータ全体に統一感が図られている。▼しかし、こんなに有名な曲であるのに(あるから?)スタンダードな演奏にはこれまであまり巡り会えなかった。▼リヒターの演奏は第1曲が超絶に遅いし、アーノンクールの新盤ではテノールがヘンなコブシを効かせるし、ガーディナーの旧盤では第4曲がテノールの合唱になっている。▼鈴木雅明の指揮ではそういった突飛な解釈はなく、いつも通り透明感のある良い意味での中庸な演奏を聴かせてくれる。▼表現意欲に欠けるという見方もあるのかもしれないが、主観的に過ぎる演奏が多いなかでは逆に際立って聴こえてるし、初めて作品を聴く人にも勧められるスタンダードな演奏というものは必要ではないだろうか。▼キリスト教徒でなくとも、バッハの音楽を聴くと敬虔な心持ちになるという人は多いと思う。▼ぼくもそうで、このディスクに収められたカンタータ第29番の第2曲などを聴いていると、訳もなく誰にでもなく祈り出したいような気分になってくる。▼バッハの音楽の持つ力や美しさが人を跪かせ、頭を垂れさせる。

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by ok-computer | 2014-12-11 12:26 | 音楽 | Trackback | Comments(2)
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Commented by yukate3939 at 2014-12-25 22:55
こんばんは。
数年ぶりにコメントさせていただきます。
(きっと誰だかお忘れでしょうが)
bend sinisterさんに刺激されて、大阪芸大に撮りに
行ったのが懐かしく思い出されます。
様々な理由でブログも休んでいましたが、少しずつ
復帰できそうです。
これからゆっくりと数年分の記事を拝見させていた
だきます。
Commented by ok-computer at 2014-12-26 22:23
コメントありがとうございます!

覚えていますよ〜。
あれほど更新されていたブログがずっとストップしたままだったので、何事かあったのかと心配していましたが、無事復帰されたのを拝見して嬉しく思います。

yukatenさんのコメントを励みにヘタクソな写真をアップしていたことを思い出します。写真はずっとご無沙汰ですが、これを機会にカメラを取り出すのもいいかもしれません。

芸大の卒展には毎年訪れています。今年は家族で学祭にまで行ってしまいました。あいにく大雨でえらい目に会いましたが(笑)