bend sinister

『ブレードランナー 2049』

オリジナルのテイストを引き継ぎながら(ずっと降り続く雨、そして今回もジャポニスムがあちらこちらに)も、格段にスケールアップした内容で、人間VSレプリカントという図式から、人間VS旧レプリカントVS新レプリカント(さらにはAIのホログラムも)へと、さらに複雑化する状況のなかで、魂と記憶の命題をめぐる、思索的・哲学的な領域にまで踏み込んでゆきます。哲学とはまさに自分探しの旅でもありますが、思っていた(信じていた)自分と本当の自分とが違っていたときの衝撃といったら!

映画は悠然としたテンポで進み、タルコフスキーの作品に通じる(荒地に聳え立つ一本の枯木のイメージは、タルコフスキーの『サクリファイス』へのオマージュでは?)ようなドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のタッチには、大衆小説がいきなり純文学へと変化したような趣さえありますが、どちらをとるかは好みの問題でしょう。個人的には前作の軽薄な感じが少し懐かしくもありましたが・・・とは言え、もはやどこまでがアナログでどこからがデジタルなのか分からないスペクタルかつ美しい映像世界と、重低音ノイズを効果的に使用した音響に劇場で身を委ねるのは何とも贅沢で、素晴らしくも非日常的な時間を過ごさせていただきました。

ところで、前作における一番の論争点だった「デッカードはレプリカントか否か?」については今作でもやはり解決していないような・・・?

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by ok-computer | 2017-10-27 21:26 | 映画 | Trackback | Comments(0)
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