bend sinister

<   2013年 07月 ( 2 )   > この月の画像一覧

ブリテン『聖ニコラス』

▼ブリテンのカンタータ『聖ニコラス』を聴く。▼最近マイブームな作曲家であるブリテンだが、なぜか続々とCDが集まってきていて、つい先日も仕事で大阪市内に出掛けた帰りにタワーレコードに寄ったら、ダニエル・ハーディング指揮の『ねじの回転』が790円でエサ箱にあったので、これは僥倖だとばかりに購入してしまった。▼自分のなかでブームになった途端、こんなにもタイミング良くCDが安価で簡単に入手できるものなのかと一瞬思ったが、どうやら今年はブリテンの生誕100年のメモリヤル・イヤーということもあって色々な音源が手に入りやすくなっているだけのようだ(←気付くのが遅い)。▼『聖ニコラス』を聴くのは初めてではなく、作曲家による自作自演盤も所有している。▼特に愛好している作品というわけではないのだが、例によってたまたま安く入手できたから複数枚集まったというに過ぎない。▼クラシック音楽の場合、すこしばかり気長に待つことさえできるのなら、比較的安価にコレクションを充実させることは可能なのだ。▼寄り道ばかりになってしまっているが、『聖ニコラス』について戻ると、カンタータとはいっても演奏に50分以上を要するかなり大規模な作品となっている。▼9つのパートに分かれていて、小品の集合体のような作品を得意とするブリテンだけに色々と聴かせる部分はあるのだが、通しで聴いているとやはり長過ぎるような気もしてきてしまう。▼ところが最終曲の終盤における盛り上がりの素晴らしさに触れてしまうと、終りよければすべて良しではないが、ついつい良いものを聴かせてもらったと錯覚してしまうのだ(?)。▼考えてみれば、『春の交響曲』や『チェロ交響曲』においても、それらの見事なエンディングによって同様の印象を抱かせられたのであり、つまりは徐々にこの作曲家の術中に嵌まりつつあるのかもしれない。

f0190773_3561853.jpg
[PR]
by ok-computer | 2013-07-28 03:56 | 音楽 | Trackback | Comments(0)

デヴィッド・ボウイ『Heroes』

▼デヴィッド・ボウイの『Heroes』を聴く。▼ボウイが自身のベストとしてしばしば挙げる作品であり、パンクの嵐が吹き荒れていたにも関わらず、1977年にNMEのライターがその年のベストアルバムに選出した作品であり、最新作『The Next Day』においてジャケットがリサイクルされた作品でもある。▼ぼくはと言えば、ひとつ前の『Low』を良くも悪くも分かりやすくした作品というのが、ずっとこのアルバムに抱いていたイメージで、聴き返すのは数年ぶりになるだろうか。▼CDに詰め込まれた音楽そのものは変わらないというのに、聴き手であるぼくのほうは(どうやら)変わったところがあるようで、以前とは違う物の見方や感じ方ができるようになったみたいだし、オーディオ・システムも変更されている。▼時の経過とともに色褪せてしまう作品というのもあるが、このアルバムの場合にはそれは当て嵌まらないようで、むしろ時間をかけてようやくその真価を感じとることができるようになったのかもしれない。▼ただこれを聴いてしまうと、復活作の楽曲が物足りなく感じられてしまうきらいはあるのだけれども。▼ぼくは70年代のボウイをリアル・タイムで体験することは残念ながらできなかった。▼しかしながら、追体験という形で彼の作品に触れて、『Hunky Dory』から『Heroes』にかけての、ひとりのアーティストがこれだけの変貌を遂げながら、なおかつクオリティの高い音楽を生み出し続けることの奇跡のような在り方を感じとることができた。▼レコードで体験することは、あるいは遠い谺を聴くような行為なのかもしれないが、それでも繰り返し見ることのできる夢のようなものでもあると思う。

f0190773_22124971.jpg
[PR]
by ok-computer | 2013-07-19 22:12 | 音楽 | Trackback | Comments(0)