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音楽の海岸

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ブラー『Think Tank』

▼ブラーの『Think Tank』を聴く。▼12年ぶりの新作『The Magic Whip』も素晴らしいが、わざわざこのブログで触れるまでもないので、あえて前作にあたるこのアルバムを取り上げたい。▼というのも『The Magic Whip』リリースにあたっての記者会見における、デーモン・アルバーンの「『Think Tank』には何曲かほんとにひどい曲が含まれていた。それに対して4人で作った『The Magic Whip』はちゃんとしたブラーのアルバムだよ」という発言が気になっていたため。▼ぼくはまったくその意見には賛成できないし、実際のところ『Think Tank』にはただの1曲もひどい曲は含まれてはいない。▼まあ、おそらくは新作PRのためのデーモンのリップ・サービスだとは思うが、真に受ける人もいるかもしれないので強調しておきたい。▼『Think Tank』も『The Magic Whip』も優劣つけ難く素晴らしいが、サウンド的には大きな違いがある。▼高級なデモテープのような雰囲気さえある生々しいバンド・サウンドの『The Magic Whip』に対して、『Think Tank』はずっと緻密なサウンドに仕上がっているし、1曲を除いてグレアムが参加していないためか、それほどギターに比重は置かれず、アフリカ音楽、ダブ、ヒップホップ、ジャズといった多様な要素が含まれた、ブラーの最も冒険的なアルバムのひとつになっている。▼「Out of Time」「Sweet Song」「Battery in Your Leg」といったスロー・ナンバーの沁沁とした素晴らしさが特筆されるのもこのアルバムの特徴で、その辺りもヤンチャな雰囲気が復活した『The Magic Whip』との違いといえるかもしれない。▼それにしても、ストーン・ローゼズ後のバンドという趣の強かった「There's No Other Way」の頃を思うと、デーモンがいまだに衰えることのない創作意欲(昨年素晴らしいソロ・アルバムを出したばかりなのに!)と多方面に渡る活躍(ゴリラズ、ザ・グッド・ザ・バッド・アンド・ザ・クイーン etc)をみせる、これほど多彩で優れた「アーティスト」になるとは思わなかった。▼おそらく同世代のなかでは最も理想的な年の取り方をしているミュージシャンだろう。

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by ok-computer | 2015-05-17 21:57 | 音楽 | Trackback | Comments(0)

palla/河原和彦 『断面 SECTION』

京都のCOHJU contmporary artで開催中の
palla/河原和彦さんの個展『断面 SECTION』に行ってきました。

ネット上でもたくさんの作品を公開している河原さんですが、
和紙にインクジェットプリントされた平面作品では
インクがわずかに滲むために、
パソコンで見る、デジタルのシャープな感じとはまた違った
やわらかでポエティックな独特の風合いを醸し出していました。

映像作品もふたつ見ることができましたが、
コンテンポラリーダンサーを捉えた映像を基にした新作では
映像が折り重ねられたり、ずらさたりするなかで
ダンサーの衣装(チュチュ)がまるで波のように見えてくる
発見と驚きとともに、
可視化された被写体(ダンサー)の顔や手足の表情や、
河原さんには珍しく縦長の構図を採用したことなど、
新境地と言えるような作品でした。

ぼくの素人丸出しの質問にもソフトな語り口で丁寧に答えてくださった
河原さんに甘えて、ついつい長居してしまいました。
ありがとうございました。

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by ok-computer | 2015-05-04 14:17 | アート | Trackback | Comments(0)