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音楽の海岸

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ライアン・アダムス『1989』

ライアン・アダムスがテイラー・スウィフトのアルバムを全曲カバーすると聞いたときはタチの悪い冗談か、ライアンがスウィフトをおちょくっているのかと思っていたが、聴いてみるとこれが、とてつもなく真剣に、かつ、おそろしいほど誠実に作られたカバー・アルバムなのであった。

ライアンがこの作品をつくるにあたって参照したのはザ・スミスとブルース・スプリングスティーンであったらしいが、なるほど、全編にわたってスミス時代のジョニー・マーのようなキラキラしたギターサウンドを聴くことができるし、オープニングの「Welcome to New York」は、まるでスミスをバックにスプリングスティーンが歌っているみたいだ。

その昔、スミス的なものがやりたかったライアンが初期スミスのプロデューサーでもあったジョン・ポーターを迎えて『Love is Hell』を制作したところ、正統派アメリカン・ロック的なものを求めるレコード会社にリリースを拒否された(その後、1枚のアルバムを間に挟んで結局正式リリースされるのだが)ということがあったが、この曲を聴いていると、そのふたつの要素は共存可能であったのではないかと思わせる。

正直言って、オリジナルのテイラー・スウィフトの音楽は、ぼくのようなロック歴30年以上のオッサンには、軽くてポップで煌びやかで、聴いていて気恥ずかしくなってくる(「Shake It Off」のビデオはさらに気恥ずかしい)のだが、ライアンのヴァージョンはフィルムのポジをネガにしたような、オリジナルにはない苦みや渋みといった深い味わいを感じさせるものになっている。

「Welcome to New York」も、「Bad Blood」も、「Wildest Dream」も、「Clean」も、ぼくはオリジナルよりライアン版のほうがずっと優れていると考える。「Wildest Dream」のサビのタイトルを連呼する部分で、ライアンは微妙に節回しを変えてみせる。そのラインの、胸をしめつけられるよう響きは、このアルバムがリメイクではなく、リクリエイトであることを象徴するかのようだ。

もちろんこれはカバー・アルバムなので、オリジナルのスウィフトにそれだけの可能性が秘められていたということは間違いないのだが、それを見出したライアンの慧眼とシリアスに作品に取り組んだ姿勢は賞賛されるべきだろう。あまり他に例を見ない、この全曲カバー・アルバムは、スウィフトの作品に新たな光を当てるとともに、尻すぼみになりつつあった近年のライアン・アダムスのキャリアにとっても光明となりえるかもしれない。

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by ok-computer | 2016-01-24 22:01 | 音楽 | Trackback | Comments(0)

「こども図工室とマキコムズ展」@KOBE STUDIO Y3

マキコムズは神戸を中心に
驚くほど多彩なワークショップを展開している、
女性ふたりによるアートユニットです。

今回の展覧会は、KOBE STUDIO Y3で開催してきた
こども図工室から生まれた作品群を集めた
彼女たちの集大成とも言える内容です。

期間中(1月30日まで)はワークショップやトークイベントなども開催されます。
等身大のキリンやワニ、箱象など
見ているだけで楽しい(一緒に作るともっと楽しい)
作品にぜひ触れてみてください。

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by ok-computer | 2016-01-18 14:07 | アート | Trackback | Comments(0)