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マックス・リヒターとティグラン・ハマシアン

▼マックス・リヒターの『The Blue Notebooks』。▼このアルバムに収められた"On the Nature of Daylight”は、マーティン・スコセッシの『シャッター・アイランド』とドゥニ・ヴィルヌーヴの『メッセージ』の劇中使用されて、21世紀に生まれたクラシック音楽のなかでも最大のヒット曲(?)のひとつ。▼電子音や重低音ノイズ、タイプライター音やナレーションなどの上に、弦楽器によるミニマムな旋律が立ち現れてはまた消えてゆく、4曲目の"Shadow Journal”も素晴らしい。▼その他の曲においても臆面もないくらい美しい旋律が随所に散りばめられ、トータル的な作品設計の巧みさもあって、アルバムとしての完成度はとても高いと思います。▼これが現代音楽の最先端なのか?と言われると、言葉に詰まってしまう部分もありますが、ジャンルに拘りすぎているのはミュージシャンではなく、むしろリスナーの方なのかもしれません。▼保守的な(あるいは先鋭的な)クラシック音楽ファンよりも、坂本龍一やブライアン・イーノ、あるいはエイフェックス・ツインなどのインテリジェントなポップ・ミュージックを好む層にアピールしそうな作品。▼ちなみに、ぼくが持っているのはドイツ・グラモフォンからの再発盤で、”On the Nature of Daylight”のオーケストラ・ヴァージョンがボーナス・トラックとして収録されています。

▼ティグラン・ハマシアンの『An Ancient Observer』。▼アルバムに収録された"The Cave of Rebirth”のPVを見て、すぐに好きになってしまった。▼その曲を聴いたときには、パット・メセニーの楽曲をキース・ジャレットが演奏したみたいな印象を受けましたが、アルバムのその他は、スティーブ・ライヒみたいな曲や、ハマシアンの出身地であるアルメニアの音楽を元にした曲もあって、様々なジャンルのハイブリッド、もしくはそれらをフュージョンさせた音楽で、正当派のジャズとは言えないのかもしれないけれど、(その気になれば)あらゆる音楽にアクセスすることのできる現代におけるジャズの優れた在り方のひとつを呈示していると思います。▼(もっとも、本人にとってはカテゴライズされること自体迷惑なのかもしれませんが)▼全曲ハマシアンのオリジナルで、新しくもどこか郷愁を感じさせるような、その作曲家としての実力もかなりのもの。大注目!

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by ok-computer | 2017-05-02 12:50 | 音楽 | Trackback | Comments(0)